Archive for 4月, 2010
穴の谷の霊水
富山県・上市市から北東へ6km、黒川地区の丘陵地帯を登ったところにある「穴の谷(あなんのたん)霊場」。
江戸時代、美濃の国の白心法師がこの地で修行して以来、霊場として知られるようになりました。
明治30年には、能登の霊外悟道禅師が3年修行して、真の解脱を得、このころから「行者穴」ともいわれます。
霊場の境内には薬師観音堂があり、石仏の横から湧き出た清水が水場に引かれています。
この水は霊水として難病に効くといわれ、いつも水汲みの長い行列ができています。
浅井一彦工学博士によると、病気を治癒するため「奇跡の水」といわれた「ルルドの水」に匹敵するゲルマニウムを含有しているそうで、蒸発残留物や硝酸性窒素が最も少なく、「限りなく蒸留水に近い」といわれています。
いまでは、この水を販売する会社もあり、全国に宅配も行っています。
曲木の里の「小和清水」
福島県・石川町の曲木の里は、平安の女流歌人、和泉式部が生まれたとされる所です。
町内にある光国寺の境内には、和泉式部堂が建てられています。
曲木の里の史跡のひとつが、「小和清水(こわしょうず)」と呼ばれる湧き水。
和泉式部が産湯に使ったといわれ、子宝と子育ての名水として広く知られています。
真っ二つに割れた岩の隙間から湧き出る水は、水量はさほど多くはないものの、いかにも女人ゆかりの水といった風情です。
しかし、「名水百選」候補であり、「ふくしまの水30選」のひとつでもあるこの清水には、知る人ぞ知る、もうひとつの側面があります。
子宝もさることながら、「飲むと美声になる」という言い伝えがあるのです。
そのため、近隣のカラオケファンに愛飲されています。
演歌歌手もときどきお忍びで訪れるとか・・・。
「恐山信仰」の霊水
青森県むつ市の恐山は、「日本三大霊場」のひとつで、イタコの口寄せで知られる霊地です。
恐山には、年間35万人もの参拝者が訪れますが、その多くが必ず立ち寄るというのが、霊水「恐山冷水」です。
むつ市内から恐山に至る恐山街道を行くと、標高300m付近にある天然のヒバ林の中から湧出するのが「冷水」といわれる名水です。
道路端の水場とはいえ、どことなく霊気ただよう雰囲気。
恐山に行く前には、この水で身を清めた後に入山することになっていて、昔からここが俗界と霊界の分かれ目といわれています。
「1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返る」という不思議な水といわれています。
北海道・斜里岳の「来運の水」
知床半島の付け根付近にそびえる「知床連山」のひとつ斜里岳(1545m)。
斜里岳の麓の湧水で、代表的なのが「来運の水」でしょう。
「来運」という土地は、明治32年に開墾された開拓の村で、開拓当時から豊かな湧き水が村の発展を支えてきました。
「来運」の語源はアイヌ語の「ランクンナイ」で、「死んだように静かに流れる川」を意味します。
しかし、先駆者は「運が来るように、幸せな村になるように」との願いをこめて、「来運」の文字を充てたそうです。
深い森の中に清らかな泉が忽然と姿を表す光景は、おもわず、立ち尽くしてしまうほど神秘的です。
泉から湧き出した水は、竹の樋で水のみ場に引かれて、自然の恵みをたっぷり味わえるようになっています。