Archive for 5月, 2010

カルシウム豊富な「神の水」

凛々しい毘沙門天の碑がたつ湧水「毘沙門水」は、埼玉県秩父郡小鹿野町の北東に位置する、標高約997mの白石山(毘沙門山)の麓に湧きます。

石灰質の毘沙門山から湧く水はカルシウムが豊富で、地元では昔から飲料水として珍重されてきました。

水源地から1800メートルのパイプで引いた給水施設は、給水口が5ヶ所あります。

県内外でも人気が高いことから、平成19年からはペットボトル化して、町の特産品として販売もされています。

渇水期でも枯れたことがないという毘沙門水は、「神の水」とも呼ばれ、諏訪神社では毎年1月に行われる、天候や作柄を占う神事でも使われています。

この水は、地域の生活に深く関わった水といえるでしょう。

秩父「武甲山伏流水」

武甲山伏流水は、埼玉県秩父市の市街中心地を潤す地下水です。

日本三大曳山祭りの一つである「秩父夜祭」の起源ともなった水で、地域の伝統や文化に重要な役割を果たしています。

湧き出しているのは、今宮神社や秩父神社の泉。

秩父の民話として知られる「妙見七つ井戸」もこの地下水に由来します。

現在では、秩父市宮地地区の生活用水に利用されるほか、秩父神社のお田植え祭りでは、豊作を願ってこの伏流水を供えるそうです。

伏流水は、「道の駅ちちぶ」の無料飲水施設で味わうことができます。

また、秩父神社ではおみくじを浸すとご神託が浮かび上がる「水おみくじ」も楽しめます。

胃腸病に「つゆ太郎さんの水」

広島市廿日市の山間の名水は「つゆ太郎さんの水」。

野見原山から湧出する水で、昔から霊泉として崇められてきました。

鉱泉成分が含まれているため、胃腸病に効能があると伝えられ、昔は鉱泉を沸かして湯治に使っていたそうです。

評判を聞いて、最近では広島市内あたりからも多くの人が訪れるそうです。

ちなみに「つゆ太郎さん」とは、梅雨時に姿を見せる夫婦の蛇のことで、近くの「異石」と呼ばれる大岩を住まいにしていたそうです。

近くには二つの祠が、安産、商売繁盛の神として祀られています。

山肌から湧出する水は、一対の蛇頭をかたどった石の井筒から流れ出ていて、いかにも霊験あらたかな雰囲気をだしています。

菅原道真を祀る「京の名水」

京都・寺町京極と新京極にかかる一角に「錦天満宮」はあります。

天満宮の名の通り、菅原道真を祀るお社です。

平安時代からの由緒ある神社ですが、豊臣秀吉の時代にこの地に移転しました。

菅原道真は平安時代の学者であるところから、学問、知恵、商才の神様とされ、地元では「錦の天神さん」として親しまれています。

境内にある「ご神水」は、地下30mから汲み上げられていて、水温17〜18度、水質検査でも無菌の良質な水を折り紙つき。

朝夕にはペットボトルを手に、近所のお年寄りたちがたくさん訪れます。

また、受験生には特に人気で、いつもはにぎやかな修学旅行生も、神妙な面持ちで水を飲んでいます。

日本武尊ゆかりの霊水

東海道本線と北陸本線の分岐駅でもある滋賀県米原市は、中世以降、宿場町として栄えました。

旧中仙道に沿って琵琶湖に注ぐ地蔵川をたどって遡ると、おびただしい水量の湧き水になっています。

「居醒の清水」は、「その昔、伊吹山に住むという大蛇退治にやってきた日本武尊は、蛇の毒気にあてられたが、この清水で癒して元気になった」という神話が残る霊水です。

もちろん、水を飲んだり汲んだりできて、石灰層から湧き出る水はミネラル分を豊富に含み、おいしい水としても折り紙つきです。

湧水のほとりには、江戸時代の儒学者で近江出身の雨森芳州が詠んだ「水清き 人の心を さめが井や 底のさざれも玉とみるまで」の歌碑があり、彩りを添えています。

四万温泉の「薬王水」

上州(群馬県)の名湯として知られる四万温泉は、湯治温泉として長い歴史があります。

四万温泉の名を世に知らしめたのは、豊富で良質なそのお湯です。

温泉の名前の由来にもなった「四万の病に効く霊泉」として知られ、特に飲む温泉としての効能は昔から折り紙つきです。

とりわけ胃腸病に効能があるということで、温泉街には飲泉所も数多くあります。

四万温泉の奥に鎮座する日向見薬師堂は、室町時代に創建され、現在では国の重要文化財に指定されています。

隣接する「青麻山薬王寺」は、「医」の仏様である薬王大菩薩を祀り、近郊近在の信仰を集めています。

寺の境内には、山からの湧水が引かれており、昔から中風除け、眼病治癒の霊水として知られ、「薬王水」と呼ばれて信仰されています。